チームのパフォーマンスを高めるために、チームビルディングを積極的に取り入れる企業は多いです。チームビルディングをすすめるにあたって、ワークショップはメンバー同士の信頼や、コミュニケーションを深める効果的な手段としてよく活用されています。

今回は、チームビルディングで使えるワークショップについて、8つを取り上げて解説します。本記事を一読いただければ、チームビルディングに役立つワークショップのヒントを得られます。お勤めの企業で人材育成や研修を担当される方は、ぜひ参考にしてみてください。

チームビルディングの重要性

チームビルディングとは「チームづくり」を意味し、企業が掲げる目標に向かえる組織をつくる人材育成理論です。

組織開発の方法として注目されており、チームビルディングがうまくいくと、

  • 社内コミュニケーションの向上
  • チーム全体のパフォーマンス向上
  • 仕事に対するモチベーションの向上

といった効果が期待できます。その結果として、企業の生産性が高まるのです。

組織におけるチームは、1 + 1が2になることもあれば、5になることも0.5になることもあります。

適切なチームビルディングを行うことで、チームワークを十分に発揮できる状態にし、チームのポテンシャルを最大限まで引き上げられます。

タックマンモデル

タックマンモデルは、チームビルディングにおける一般的なフレームワークです。1965年に心理学者ブルース・W・タックマンが提唱しました。チームの発展段階を5つの段階に分け、それぞれの段階で生じる問題や特徴を示します。

各段階特徴・課題
形成期チームが結成されたばかりの時期メンバーの相互理解が十分でない目標や目的が共通理解されていない
混乱期チーム内で役割分担がされたり、プロジェクトがはじまったりする時期メンバー間で意見の衝突や人間関係のねじれが生まれやすい
統一期チームに統一感が生まれる時期相互理解が深まり、メンバー間の対立がなくなる活発な議論ができる
機能期チームが機能して成果をだす時期チームの結束力が増し、最もパフォーマンスが高い
散会期チームが解散する時期

最大のポイントは混乱期であり、この時期にどのようにチームビルディングを行うかは、チームの最終的なパフォーマンス力に大きく影響をします。

混乱期を乗り越える方法としてワークショップを行う企業は多いです。

タックマンモデルについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

チームビルディングに使えるワークショップ8選

ワークショップは、チームメンバーがお互いをより深く理解したり、自主性やチームワークが必要になったりする共同作業を通した体験型の研修です。

短時間でできるものから、じっくりと時間をかけて行うものなど、ワークショップの方法はさまざまです。

ここでは、タックマンモデルの混乱期までで取り入れると効果的なワークショップを8つ紹介します。

チェックイン

チェックインはメンバーが感情や思いを自己開示するワークショップです。

「今の気持ちは?」「今日のワークで期待していることは?」などお題を決めて、1人1分程度で順番にお題について自由に話します。

短時間で実施できるため、チームビルディングに限らず、アイスブレイクなどの場面でも活用されています。

Where I’m from ポエム

Where I’m from ポエムは、「私は〇〇から来ました。」という定型フレーズでポエムをつくります。空欄箇所には、過去の経験や自分の価値観など自由に内容を加えてOKです。

ポエムであれば、通常の自己紹介よりも深い内容を表現でき、普段は話をする機会が少ない突っ込んだところまで自己開示できます。

また、メンバーの人生を追体験できるので、相互理解も深まります。

WIND&ANCHOR

船の帆と錨(イカリ)が由来になっているWIND&ANCHORは、自分とメンバーのモチベーションを高めるワークショップです。内容は、メンバーのモチベーションを高めることと、下げることについて発表しあうものです。相互理解を深め、チーム間で適切な気遣いができるようになります。

チェックインと同様に短時間でできるので、アイスブレイクにも取り入れやすいです。

【手順】

  1. 自分がポジティブになれることを2つ付箋に書く
  2. 自分がネガティブになってしまうことを2つ付箋に書く
  3. 付箋に書いた内容を発表し、参加者で共有する

ジョハリの窓

ジョハリの窓は、メンバー間の信頼関係を構築したりコミュニケーションを深めたりするワークショップです。下記のようなシートに、「発想力がある」「段取り力がある」などジョハリの窓で用いられる19の要素を入れて、自分の特徴や他者から見た自分について知ることができます。

自分は知っている自分は知らない
他人は知っている開放の窓盲点の窓
他人は知らない秘密の窓未知の窓

【手順】

  1. 3~4人でグルーピングする
  2. 自分について、ジョハリの窓で用いられる19の要素から当てはまるものを書く
  3. メンバーそれぞれについて、当てはまる要素を書く
  4. 各メンバーに自分が書いた用紙を渡す
  5. シートに要素を記入する

NASAゲーム

NASAゲームは、チームで合意形成を行うコンセンサスゲームです。多数決に頼らずにチームで話し合い、メンバーが合意していく過程を経験できます。

グループのメンバーは、「不時着した宇宙船の団員」という設定で、手元に残った15個のアイテムについて生存に必要な優先順位をつけていきます。

個人の意見を提示しつつ、最終的にはチーム全員で1つの結論をださなければなりません。

【手順】

  1. 個人思考
  2. グループ思考
  3. グループで発表
  4. NASAの模範解答を発表
  5. 模範解答との差が小さいグループの優勝

ペーパータワー

ペーパータワーは、チームメンバーが協力して紙を折りたたんで自立型のタワーを建てるワークショップです。どのチームが一番高いタワーをつくれるかを競います。

チームワークやコミュニケーションを促し、チームの一体感を高めたりメンバー間の信頼関係を構築したりできます。

【手順】

  1. チーム分け(4人~6人1チームが目安)
  2. 制限時間の設定を行う(60分程度が目安)
  3. 紙の枚数やサイズ(1グループA4用紙20枚~30枚が目安)に基づいて、より高いタワー作成の計画をグループで行う
  4. 役割分担をして、タワーをつくる
  5. できたタワーを他のチームに見せる

マシュマロ・チャレンジ

マシュマロ・チャレンジは、共通目標に対してメンバーが協力するワークショップです。役割分担やコミュニケーションの重要性を体験的に学習できます。

内容はペーパータワーと似ており、マシュマロ、パスタ、テープ、ひもを使って自立するタワーをつくるゲームです。できるだけ高いタワーをつくり、タワーのてっぺんにはマシュマロを置きます。

【手順】

  1. チーム分け(4人1チームが目安)
  2. 制限時間の設定を行う(20分程度が目安)
  3. チームで協力し、制限時間内にマシュマロとパスタを使ってなるべく高く自立可能なタワーをつくる

人狼ゲーム

数年前からテレビや映画でも話題にされる人狼ゲームですが、チームビルディングの一環として研修で取り入れる企業もあります。

人狼は、会話を中心としたコミュニケーションを促すゲームです。村人陣営と人狼陣営に分かれ、村人陣営は人狼が誰かを探り、人狼陣営は正体がバレないように装っていきます。

研修時間が限られる場合は、ワンナイト人狼など時間を短縮して行うこともできます。

チームビルディングを考えるうえでワークショップの価値とは?

今回はチームビルディングにおすすめのワークショップを8つ紹介しました。ただ人材を配置するだけでなく、そのチームがうまく軌道に乗りパフォーマンスを最大にできるようにチームづくりは必要です。タックマンモデルの混乱期までに、今回紹介したようなワークショップを手法の1つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

少しでも参考になれば幸いです。

筆者プロフィール:https://nicetaninaka.com/introduce/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA