質問は、する人にも、される人にも、メリットがあります。
ググればすぐに情報を得られる時代に、なぜ質問が大切なのでしょうか。
こんな事聞いていいのかな…。これは誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。特に若手社会人は「とにかく質問しろ!」なんて言われて躊躇することもあるかもしれません。
質問がなぜ大切なのか、考えている事をシェアします。
+αの情報をGETできる
聞くは一時の恥
聞かぬは一生の恥。
出典不明
その時に聞くのは恥ずかしいが、聞かずにずっと知らないままでいる方がよっぽど恥ずかしい。こんな意味のことわざです。
ググるだけ人生はハードモード
幼少期、親によく言われたことを覚えていますが、当時は「これは単なることわざで、自分はネットで調べられるから恥はかかないよ」なんて考えていました。
ただ、今思えばこれは大きな間違いです。
ネットで調べれば、言葉の意味や使い方はわかります。しかし、その場で聞くとネットでは知る事の出来ない+αの情報もGETできます。例えば、その人の経験に基づいた話や、関連する知識などです。
特に年配の方に若者が話を聞くときには、面倒くさい…と思う方もいるかもしれませんが、ここでしか得られない+αの情報があり、この+αにこそ本当の価値があると思います。
「○○と言えば昔はこうだったのよ」
「○○になる前はみんなこうだったわ」
確かに検索すれば誰でも簡単に知識を得る事が出来て便利なのですが、自分が簡単に知れるということは、他の大勢も同じ情報を簡単に知ることができるのです。
価値のある情報とは
その場で気になったことを質問して得られる情報は、誰もが簡単に知れる情報+その場でしか得られない情報。これが+αです。少し頑張って質問をする事を続けていると、検索でサクッと得た情報しかない人とは雲泥の差になるでしょう。
ググって何となくでしゃべっていて、「こいつは表面的な事ばかりで信用できない」なんて思われたら恥では済まないですよね。
質問をすると、その場でしか得られない+αの情報を得られる。
質問して得られる=+αの情報=価値ある情報
一瞬の恥を捨て、そこでしか得られない+αの情報をGETしましょう。
認識をすり合わせる
理解している事を伝える
Aさんの発言を聞いてどう感じますか?
A:昨日は親友のX君に会うために東京に行ったんだ。そしたら、たまたま小学校の時の同級生に会ってつい話が盛り上がって飲みに行っちゃってさ!思わずX君との待ち合わせには遅れたよ。
Bさんは以下のように感じたので認識を伝えます。
B:幼馴染に会えて良かったね!久しぶりの友達に会えて楽しい1日だったんだね?
しかし、このように感じる人もいます。
B ’:親友との待ち合わせに遅れて残念だったね。きっとX君は君に会えるのを楽しみにずっと待っていたんじゃない?
このように、「つまりこういう事?」と自分の言葉で聞き返すことで、私はこう理解したよ!と伝える事が出来ます。
では、なぜ認識を伝える事がいいのでしょうか?
認識の齟齬に気付く
前述した例の通り、同じ内容を同じ表現で伝えても人によって受け取り方は様々です。
発話者は自分が話すのに精一杯で、相手がどう受け取っているかを確認している余裕は無く、また聴き手も相手の言葉を理解するのに精一杯で、自分の認識を整理して相手に伝える余裕はありません。
つまり、コミュニケーションにおいて発話者は自分なりの言葉で伝え、聴き手も自分なりの(知識に経験に照らし合わせながら)理解をしているのです。それぞれ違う人生を歩んできた者同士が「自分なり」で伝え、「自分なり」で理解していたら、円滑なコミュニケーションは行えるでしょうか?
難しいですよね。それはカオスです。
「私のこの認識で間違いない?」と確認することで会話の中で生まれる認識の不一致を限りなく減らす事ができます。
この様に、認識の齟齬を減らすために質問は大切なのです。
オートクライン
ここまで、質問をするメリットについてシェアしましたが、質問をされる側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは質問されることの大切さを考えてみます。
オートクラインとは?
ここでいうオートクラインとは、コーチングで用いられる用語です。
自分で話した言葉が自分自身に作用すること。これがオートクラインです。
もう少し分かりやすく。
- 自分が話した言葉
- 話すための思考過程
で自身が新しい気づきを得たり、深く考えたりすることです。
言葉の由来
「分泌された物質が、分泌した細胞自身に作用すること」
を意味する生物学用語 が由来となっています。
ちなみに、コーチング用語では聴き手が情報を受け取る事をパラクラインと言います。
思考プロセスを経て自己理解を深める
おまけ
アインシュタインの名言
大切なことは質問をやめないことだ。好奇心こそ我々の存在を示すものなのだ。
Albert Einstein (物理学者)1921年 ノーベル物理学賞受賞
今回は「質問の大切さ」について考えてみました。