マーケティング業界において、必須とも言えるのがペルソナの設定です。
しかし、必須と言われているにも関わらず、ペルソナを実践していない会社もあります。
なぜなら、ペルソナについてハッキリと理解できておらず、重要性を感じていないからです。
また、ペルソナを聞いたことはあっても、やり方を知らない経営者様もいます。
そこで本記事では、ペルソナの概要から設定のやり方を分かりやすくまとめました。
ペルソナとは
ペルソナとは、商品やサービスを提供する上で重要かつ象徴的なユーザー像のことを指します。
実際には存在しませんが、あたかも実在するかのように架空の人物を設定します。
名前や年齢、血液型、趣味など、1人のキャラを作るかのごとく細かく設定するのが特徴です。
例えば、以下のように項目を設けます。
- 氏名
- 性別
- 年齢
- 家族構成
- 血液型
- 職業
- 年収
- 趣味
- 住んでいる地域
- 特技
- 休日の過ごし方
元々は、古典劇で役者が使う仮面のことを指していましたが、スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングが「人間の外的側面」と派生したことから、現在のマーケティングで使用され始めました。
ターゲットとの違いは?
ペルソナと同時によく使われる用語で、ターゲットと呼ばれるものがあります。
ペルソナとターゲットは混同されることが多いですが、2つの意味は異なります。
まずペルソナは、先ほども解説した通り年齢や職業など、事細かに設定します。
一方、ターゲットは「30代の独身男性」、「埼玉県に住む20代の女性」といった感じに、漠然と決めるだけです。
一見、同じように思えますが、ターゲットはあくまでもざっくりと決めるだけなので、中々顧客のイメージが掴めません。
ですから、最初にターゲットを定めて、その後ペルソナ設定で深掘りしていくというイメージでしょうか。
ペルソナを設定する4つのメリット
ペルソナ設定で人物像を具体的にすることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?
本段落では、4つのメリットを解説いたします。
顧客のニーズを理解できる
顧客像を細かく設定する内に、ユーザーのニーズを理解することができます。
同時にユーザー視点で物事を見られるようになるので、商品・サービス開発時の「どうすれば購入したいと思えるか?」、「どうアピールすべきか?」など、訴求ポイントが明確になります。
結果、顧客が求める商品・サービスの開発に成功します。
目標が定まりやすくなる
顧客像が曖昧だと、中々目標が定まりません。
例えば、同じ性別・年齢の人でも、趣味や生活スタイル、価値観は異なります。
そのため、どういう商品・サービスを展開すれば良いのかで混乱してしまいます。
しかし、事前に顧客像を決めておけば、目標が一本化されて商品・サービス開発の効率化を図れます。
顧客像が統一!他の社員とズレが生じない
「30代の独身男性」とターゲット設定しか行っていないと、考えにバラつきが生じます。
例えば、Aさんは「30代の独身男性、趣味はゲーム」に対し、Bさんは「30代の独身男性、趣味はドライブ」というイメージです。
このように、社員の間で考えが異なると、意見がまとまらずに余計な時間を消耗します。
しかし、ペルソナ設定により顧客像が統一されれば、他の社員と考えのズレが生じるのを避けられます。
無駄な時間をカットできる
ここまで解説したメリットの内容から、ペルソナ設定をすることで業務の内容も効率化されます。
無駄な時間をカットできるので、他の業務に時間を割くことができます。
ペルソナ設定のやり方は?作り方のコツを解説します
ペルソナ設定の際に、よくやりがちなのは、先入観や思い込みで人物像を決めてしまうということです。
細かく設定することは大事ですが、適当に決めたところで意味はありません。
そうならないためにも、ペルソナ設定の正しい作り方を抑えておきましょう。
情報収集を行う
まずは情報収集から始めます。
お客様のインタビューやアンケート、社内データの分析、SNSを使ったアンケート調査など、いずれもお客様の生の声が反映されたものです。
生の声ほど役に立つものはないので、ペルソナ設定をするときは、色々な方法から積極的に情報収集を行いましょう。
集めたデータを整理する
データを集めたら、膨大な数の中から整理します。
例えば、「30代男性に共通する生活スタイル」と用途ごとに洗い出し、少ない回答は切り捨てて多い回答を取り入れていくというイメージです。
そうすることで、集めたデータがコンパクト化されて、ペルソナ設定がやりやすくなります。
ペルソナに当てはめていく
データの分類が完了したら、最後はペルソナを作っていくだけです。
プロフィールから生活スタイルなど、様々な項目を設けて細かくまとめていきます。
以下、完成例です。
- 氏名:田中 太郎
- 性別:男性
- 年齢:32歳
- 家族構成:28歳の嫁
- 血液型:A型
- 職業:システムエンジニア
- 年収:450万円
- 趣味:景色の撮影
- 住んでいる地域:京都府京都市
- 特技:暗記力が高い
- 休日の過ごし方:家で読書をするか、山や海までドライブに行って写真撮影をする
まとめ
商品やサービスを展開する以上、どうしても売上を出すことに目が行ってしまいがちです。
しかし、売上を出すには顧客の存在があってのことなので、常に顧客ファーストの姿勢でいなければなりません。
そのためにも、まずはペルソナ設定から試行錯誤をし、自社のターゲットとなり得る顧客のことを理解しましょう。
本記事で解説したペルソナ設定の作り方が参考になれば幸いです。