世界最大の人口を保有する中国で、マーケティングをしてみませんか?
今までは「海外マーケティング」といえばアメリカやヨーロッパなど英語を使う国でのマーケティングを行ってきた企業も多いのではないでしょうか。
現在新たに海外向けの販路開拓を始める企業では、中国を取り入れる企業が多くなってきているのです。
なぜ中国なのでしょうか。今回は、中国でマーケティングをするメリットや、活用していくべきアプリ、SNSなどを解説しています。これから海外マーケティングをしたい方は必見ですよ。
海外マーケティングは越境ECというが中国越境ECとは
中国マーケティングは、通常「中国越境EC」と呼ばれています。
越境ECは国境を越えて他国に商品販売を行う通信販売のことですが、中でも中国との通信販売を行うことが最近のトレンドともいえるでしょう。
次のグラフを見て下さい。
中国での市場規模はかなり大きく、誰もが考えているであろうアメリカは中国に次いで2位です。日本での市場と中国を比べると大きな差が開いていることもわかりますね。
それだけでなく前年比として2018年と2019年を比べると中国は1.2倍以上の成長率を遂げていることもわかるでしょう。
販売拡大は今もなお「マーケティングをするなら中国」と言われていることを察するに、市場規模は爆発的に拡大しながらも、人口が多いからこそできる「新たな販路開拓」も可能なので挑戦するチャンスでもあるのです。
【世界最大だからこそ】中国マーケティングを行う大きなメリット
「中国」を相手にするマーケティングにはどんなメリットがあるのでしょうか。
購買力が大きいからこそ取り入れるメリットが大きい
中国は世界最大の人口を誇ります。つまり、約130億人の購買力があるのです。
市場規模としても日本の約10倍なので、中国に売り込めば日本で販売をする10倍以上の大きなプラスがあるといっても過言ではないでしょう。
また、GDPの観点であっても、世界第2位を誇る経済大国。ビジネスで拡大していくには最適な市場ともいえます。
ライブコマースが超重要!リアルタイム動画でファンを増やせる
最近のSNSを見てみるとTIKTOKだけでなくInstagramやYouTubeにも、ライブコマースで実際に販売をしているところを観た人もいますよね。
中国では「ライブコマース」での販売がトレンドともいえます。特に「KOL」を活用したライブコマースは、消費者を獲得するだけでなく「この人が推薦するなら安心して購入ができる」というような大きな信頼感を生むのです。
つまり、越境ECで成功するならば、KOLを取り入れたトレンドなライブコマースでビジネスを進めていく必要があるともいえるでしょう。
KOLとインフルエンサーの違いは『専門性』
KOLとは・・「key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」の略で、専門的な商品販売ができるので、消費者の間では「この人が言うなら信じられる」という信頼ももたれる存在なのです。
いわゆる「購買意思決定の強い影響力を持ったインフルエンサー」を指すのですが、特に最近はこのKOLを活用した売買がトレンドにあります。
日本で言われているインフルエンサーとの違いは「専門性」の有無です。インフルエンサーといえばInstagramやTwitter、TIKTOKなどあらゆるSNSに所属する多数のファンをもつユーザーが「実際に使用した」ものや、「企業からのPR案件」を任されるときに、動画などを使ってPRしますが、ここに「専門的に商品を分析する」という点は見ることが少ないですよね。
資生堂やコナミで行われているYouTubeでは専門性があるものの、一般的にインフルエンサーと呼ばれている人たちで専門性が問われると「無いに等しい」という方が多いからこそ、ケガやトラブルなどにつながることも少なくありません。
【1日で8兆円の売上も夢じゃない!?】中国での越境ECは桁違い
ライブコマースやKOLだけでなく、中国の通信販売、中国でのマーケティングは大変夢があるといっても過言ではありません。
というのも、毎年11月11日に「タオバオ」や「天猫」などのダブルイレブンとした世界最大規模のオンラインショッピングでイベントを開きます。イベント内容は「大規模な値引きセール」です。この大規模な値引きセールは中国国内で一大イベントに発展するほどの規模で、2020年の11月11日イベントの中での総売り上げは4982億元。日本円にすると約8兆円の売上を達成しているのです。
2010年は約500億元ですが、比べても2020年のダブルブレインでの流通取引額は尋常ではない額だということがわかります。ちなみに、楽天での日本国内EC流通総額は年間で3.7兆円です。極端にいえば「桁違い」なのです。
一方であげられるデメリットは世界共通SNSが『TikTok』のみであること
中国マーケティングにおいてのデメリットは、唯一の欠点ともいえることです。
後ほどもう少し詳しく解説しますが、中国では通常私たちが使っているようなTwitterやYouTubeなどのSNSが使用できません。規制されていて、もし見るのならVPNありきで見る必要があります。
その中で唯一中国でも使えるSNSが「TikTok(抖音)」です。
TikTok(抖音)は中国で人気の高いSNSとされていて、現在の国内アクティブユーザー数は7億人オーバー。中国の総人口は13.98億人なので、ちょうど7割近くのユーザーが使っていることになります。
また、TikTok(抖音)での決済サービスもリリースされたので、ライブコマースとしてもかなり充実していることがわかるでしょう。つまり、日本の企業が中国マーケティングへ進出するなら、今まではタオバオなどのオンラインショッピングサイトが良いともいわれていたのですが、これからはTikTokも視野に入れていくと良いということでもあるのです。
中国マーケティングをするなら知っておきたい3つのこと
中国でマーケティングを行うなら、特に気を付けておきたいことや、知っておきたいことは次の4つです。
- 中国では通常のSNSが使えず、中国内で使用する場合はVPNありきとなる
- 中国でのWEBなどはweiboや小紅書(RED)、百度が主流
- どのマーケティングにも必要ですが特に中国マーケティングは施策が重要
日本国内であればGoogleやYahoo!を使えるのと同じように、中国でも中国独自で使用しているWEBサイトやSNS、メッセージサービスがあります。
国民性だけでなく、文化などに深く触れておくこともマーケティングの施策に重要なのです。
では、それぞれをもう少し詳しく解説しましょう。
①中国では世界で使われているSNSが通常に使われない
既述にもあるように、中国ではTikTok(抖音)以外の全世界で使えるアプリの使用は禁止されていて、通常は閲覧ができません。もし見るならば、VPNを使うことになるのですが、それは「通常使用」と言えず、販路として確保するにも無理がありますよね。
主に活用されているSNSはどれも中国オリジナルアプリで、
- 小紅書(Instagramのようなもの)
- wechat(LINEに似たメッセンジャー)
- weibo(pinterstのようなもの)
- QQ(Messengerのようなもの)
以上です。
ただ、これらのアプリを日本人はよく知らないことがほとんどで、使い勝手もわかりません。ダウンロードは中国国内と規制されているわけではないので、まずは日常生活で使用してみましょう。
中国で販路拡大をするなら中国で普段から使用されているアプリをリサーチおよび、活用していく必要があるのです。
②中国ではweiboや小紅書と百度(Baidu)が主流
またSNSと同様に、中国のWEBサイトもGoogleが使用できません。
中国では先ほども解説したweiboと小紅書が画像なども含めて検索できるサイト、アプリとして使用されていて日本でいうようなGoogleのポジションにいるのがBaidu(百度)です。
Baidu(百度)は主に検索をするときやニュースを確認するときなどに使用されているサーチエンジンなので、Googleと同様にマーケティングが可能です。SEOなどのシステムもあるのです。
日本と大きな違いは、日本のSEOは単語で「新宿 美味しい 中華」というような検索になりますが、中国では「新宿で美味しい中華料理」というような文章での検索となるところです。
もしBaidu(百度)を活用したマーケティングを行いたいという施策があるならば、Baidu(百度)のリスティング広告や、アドネットワーク広告、インフィード広告がおすすめですが、正しい文章になるようなキーワードの登録が必要といえるでしょう。
③施策ありきでプロモーションを検討する必要性
どのマーケティングでも言えることではありますが、特に全世界で共通して使えないSNSが多い中国においては「中国独自」の施策を検討する必要性が高いです。
例えばInstagramやYouTubeを使って英語圏向けにマーケティングを行いたいというとき、ほとんどハッシュタグは英語、投稿文も英語ですが、投稿内容の動画や、使用言語が英語など、アプリのことは考えず「投稿内容とテーマ」を考えて投稿しますよね。
中国では、アプリから検討し、アプリそのもの分析から必要になるのです。
もし中国へ進出することを考えている場合は、まず中国で通用できるマーケティングの検討、施策など企画をしてみることをおすすめします。
まとめ|挑戦価値はあれど中国進出は文化からのリサーチ必須
海外へ進出する場合はその国で活用されているWEBやアプリなどのリサーチは必須です。
特に中国でのマーケティングの場合は、世界共通で使用されているSNSが少ないからこそ、国民性や日本との検索の違いもしっかり明確にした上で、進出のために一歩一歩着実に踏み出す必要があるともいえます。
もしこれから中国への進出をしようと考えているならば、まずは、weiboや小紅書、百度(baidu)などを日常から活用してみましょう。きっと中国で大きな効果を持つマーケティングが出来るようになりますよ!